新潟の帰りのハプニング

新潟からの帰り道は三国峠を越える事にした。前日は予定を早めに切り上げたので、日のある内にテントを張って、温泉に行く事にした。ただ、「少し遠くてもいいので、お薦めのところ」をとキャンプ場のオーナーに聞いたのが、ハプニングの始まりだった。

車で40分行くと、山が観れる露天風呂があるという。急いで行ったが、着いた時には真っ暗。しかも日中は暑かったのに、日が落ちたとたんに寒く、道のり1時間半は体の芯まで冷やした。冷静になれば結構な距離なのに、3日間の滞在で感覚が麻痺し、たった一度の温泉という特別さが拍車をかけていた。寒いので、カッパを着た。テントでも寝袋だけでは心配だったので、カッパを着たまま寝た。2時くらいに目を覚ますと大雨、虫にさされたのか手も痒い、ますます縮こまった。朝起きても雨。でも時間もないので、雨の中、撤収をした。屋根のあるところで作業を一頻り終えて、一服。カッパも脱いでみた。

「なんじゃ、こりゃ」

そう思わずにいられないくらい、両腕が腫れている。ちっちゃなふくらはぎが出来ている。カッパだ。カッパで手首がしまって血が止まったんだという事を理解した。夜に目が覚めたのもこのせいだったのかもしれない。手の色は土色で、両腕の腫れた部分はジンジンする。触るとピリピリとする。いくらもんでもかわらない。時間もないから、大丈夫だろうとタカをくくり、カブで出発した。左手は常にブラブラさせていたから、腕の腫れもマシに。ただ右手は酷い。腫れは引かないし、手の甲も腫れてきた。しかもジンジンして熱い。それでも最後だからカブで走り回った。夢中だったから大丈夫なような気がしていたが、尋常ではない。最後に温泉にはいり、よく揉んだ。が、三国峠から、あきらかに手に力が入らない。というのも、手の甲が腫れて皮膚が突っ張り、上手く指が曲がらない。しかも峠は凄く寒い。マッサージをしている友人にメールで聞いて、塩分とぬるめのお湯に長時間浸かると良いと聞き、塩昆布を買って、なるだけ早く帰る事につとめた。右手はどんどん膨張している。

家に着いて明るいところで見ると、見事に腫れている。「アンパンチ」が出来る手になっていた。子供の頃、冬に軍手や手袋を何重かにした手のようになっていた。血管もシワも何もないパンパンの手。それでも左がならなかったから良かったと思っていたが、鏡を見た時に驚いた。左の顔、頬から顎にかけて見事に四角く腫れていた。

風呂には許される限り浸かった。あご迄つかった。次の日は市内の温泉に湯治に出掛けた。行った事がなかったので丁度よいと思って行ったら、ここがいい。川を眺望しながらの内湯、露天、源泉、つぼ湯、サウナ。露天の前は小砂利が敷き詰められていて歩くと気持ち良い、大きな石にも座れる。サウナも嫌いだったが、血行を良くするには一番良いだろうと頑張った。全ては身体の為に。一度はいる毎に少しずつ手の甲を凹凸が出てくる。今日は私と温泉との戦いだと思った。内湯、露天、源泉、つぼ湯、サウナを案内通りに入ると2時間弱。出て休憩して読書をしたり、持参のおにぎりを食べたり、昼寝をする。十分休んだら、また2時間のコース。これを3回繰り返した。昼に来て夜の10時まで。一日、温泉と闘った。力の限り闘って、私は一先ずの安心を手にした。

手の写真を撮らなかった事を今は悔いている。悔いているが、その時はそんな事も考えられない程だった。少しでも安めて回復につとめないと。

それが新潟の旅の顛末。松本の旅の顛末はまた後日。
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  by akari_tasaki | 2009-10-02 18:00 | ヒビノコト

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