360kmの道行き


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山口県岩国市から大阪府大阪市まで、国道2号線約360kmの道を赤い自転車で走ったのは1月のある四日間の出来事。

18切符が往復分あるから、それで行って帰って来れる最南端が岩国駅。そこに一度は見たかった木造の5連アーチの錦帯橋があったから、それと尾道を観て来よう。知人に譲って頂いた赤い折り畳み自転車を持って行って、途中の移動に少し使えば、気持ちもいいし、交通費が少し浮く。寒波を避けた六日間、別に無ければさっさと帰って来ようというのが、岩国に向かう車中で描いたユルユルなフワッとした旅の予定だった。

錦帯橋で朝を迎え、広島を通過して、天気も良いから行けるとこまで行って、適当に電車に乗るはずだった。

予定外の四日間になった大きな要因は恵まれ過ぎた天気といい加減な性格。予想のつかない地方と2号線。山と川と海。地元の人の車のみの感覚。



この道の方が楽さ。少し登りがあるくらい。なんてのは当てにはならない。いつの間にかバイパスには載っているし、山はいくつも超えるし、昼間の内には並走していた筈の路線がいつの間にか見つからない。駅がない。見つかるのは新幹線の駅。



尾道に着いた時に食べた尾道ラーメンの味が分からない事。ただ水分を無尽に欲する身体と食べているだけで幸せな感覚が味覚を消してしまった。



尾道での朝は早く、海を味わい、人気の無い商店街を歩き、パンを食べ、パンを食べ、カフェへ行き、昼には尾道お好み焼きを食べると、身体は楽になったし、時間には余裕があるし天気も良い。大阪の友人に教えてもらった倉敷のジャズバーに電話すると、夜の12時まで営業しているという。じゃあ、自転車で行けるとこまで行ってと。。。。昨日と同じ轍を踏んでしまう。


ジャズバーは良かった。ホテルで温泉にも浸かった。朝の倉敷も良かった。二日乗ってしまったのだから、いっその事と思ってはいけない事を思い始めてしまう。そうやってまた、山をい幾つも越えて、姫路へと。


姫路から大阪までの速い事。山がなくなったから、都市の道になったからという事もあるが、大きかったのは友人が待っていてくれたから。途中、コロッケ屋でつまみ食いもした。神戸の海岸で足も休めた。一軒のギャラリーショップに出会ったりという寄り道も多かったが、余りある程に飛ばした。

それはきっと、ランナーズハイに近い感覚に思えた。強いて言うならトラベラーズハイ。アキレス腱も痛いし、膝も痛い、頭も疲れたと思っているが、足はそれとは別に動く。痛いと思っているのは気のせいなのかもしれないと思い始める。身体が勝手に。この感覚を味わいたかったのかもしれない。



きっと予定していたら出来なかった旅。予定していなかったから歩み始めると、思いのほか、それが続く。そんな事が私の人生には結構多い。きっとそれの方が身体に馴染んでいるのだろう。考え過ぎる事無く思うままに、身体が動くままに。



旅、きっとこれは旅ではなくて、道を行っただけ。二度三度来た時に記憶の色は濃くなるが、一度目は生地を馴染増せた程度。360kmの道行き。



自転車がいる筈も無い暗い夜道で遠くから「すいません道を聞きたいんです」という声に反応してくれた人、止まってくれた車の人には心から感謝を。自転車なんかいる筈も無い道を走ってしまい迷惑をかけた多くのドライバーの方には深くお詫び申し上げます。



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夜の倉敷で手袋を無くしました。左手は見つけたけど、右手は見つからない。携帯ショップで手袋のキャンペーンをしていたのを見掛けたのを思い出し、お店で開店待ちをして、「ハッピーグンテ」を入手。赤いハッピーを味方に付けました。



360kmの道行きの記録。
http://watei.or.tv/Decalque/
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  by akari_tasaki | 2010-02-10 02:09 | ヒビノコト

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