85歳の杜氏の手


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市内には幾つか酒蔵がある。自分で「ツクルテノート」などという地元の地図を作ってみようと思わなければ、そんな事に見向きもしなかっただろうと思う。千葉の酒蔵にわざわざ行くのに、10kmそこそこの距離の「そこ」に出会っていないのだから、馬鹿という言葉が身に染む。


酒蔵は11月から3月までが醸造時期で、酒作りが終ると日頃の感謝の意味も込めて、蔵開きをするのだそうだ。甘酒を飲み、地酒を試飲して、フラフラと写真を撮っていると、通りがかりの人が声をかけてくれた。それは偶然の一言だったが、その人のおかげで「85歳の杜氏の手」に出会えた。

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東京から、わざわざ話を聞きに来たというその人に同行し、私も話を聞いた。85歳とは思えない杜氏の人は楽しそうに話をする。専門的な事はわからないが、考え方には学ぶ事が多い。

満点のものなんて出来た事はないと言う。来年がくればまた一年だという。11月から3月までは杜氏として働き、シーズンオフは家のある岩手で農家をするのだそうだ。野菜を育てる事が酒造りの感を養う事、練習になるという。蔵によって作り方は異なるから、余所に学びに行く。知ったことの内、1つだけする。それで十分。働き盛りの85歳だった。

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いい手に出会えた。「ツクルテノート」なんていうものと、自分もモノツクリをしているんですという理由があって良かった。私はこれからも、いい手に出会える様な気がする。その過程で「ツクルテノート」はどう成長するか、私自身の手がどんな風な様相になるのか、それにはもう少しの時間がかかるのだろう。

この日の出会った酒は3割り増しで美味しく感じた。誰にこの美味しさと話を届けようか。


「ツクルテノート」
http://watei.or.tv/tukurute/
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  by akari_tasaki | 2010-03-15 02:13 | モノツクリノコト

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